三日月の雫
・不可解・
国道で隆二とほんの少し話した後。
家に帰ると、かんながいた。
「あっ、永ちゃん……」
僕が部屋に入った瞬間、かんなはビクッと身体を大きく震わせた。
「…ごめん、ビックリさせて」
あまりにもかんながビックリしていたから、僕は自然と謝る。
……なんか、変だなとは思った。
僕はただ自分の家に帰って来ただけなのに。
「電話中だった?」
かんなの手に握り締められた携帯に気付く。
「ううん。何時かなと思って時間を見ただけ」