三日月の雫
・威厳・
遠まわしに柚羽へと思いを告げて数日が経ったある夜。
かんなが言い出した仲間内での飲み会が僕の家で行われた。
酒にめっぽう強い啓介さんは焼酎の1升瓶をほとんど1人で飲み干した。
逆に酒に飲まれるタイプの遼太郎は、缶ビールを2缶飲んだところで泥酔状態に陥っていた。
「永輝くん、飲まないんれすか?」
ろれつの回らない口調で、遼太郎は一生懸命話す。
僕はそんな遼太郎がおかしくてたまらない。
「おまえや啓介さんを送って行かないといけないだろう?」
「ここに泊まればいいじゃないれすか!!」
先のことを考えない酔っ払いが反抗する。
僕は遼太郎の頭を大きくブンブン振る。
「明日仕事だろうが」
「そうだぞ、遼太郎」