三日月の雫

かんなは「今までの関係を続けてくれるのなら」と受け入れてくれた。


けれど、ほとぼりが冷めると……

かんなは僕が伝えたことを忘れたのか、それとも忘れたふりをしているのか、事あるごとに「ヨリを戻そう」と言うようになった。



突き放すと、またリストカットするんじゃないか……。

そんな思いもあって、僕ははっきりと拒否することができなかった。


ただ、静かに笑うことしか、できなかった。

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