三日月の雫
第6章―強い感情―
・作戦・
かんなは高校を卒業した後、フリーターとしてレストランでバイトしていた。
僕と柚羽のことを知った直後に、そのバイトを辞めてしまった。
「会社まで送る」
「……ありがとう」
朝。
以前よりも早くかんなは僕の家に来るようになった。
そして、自分の車で僕を会社まで送る。
帰りも、残業になる時は何時になるか分からないのに、かんなは眠たい目を擦りながら迎えに来た。
早く家に帰った夜は、かんなに求められるがままに彼女を抱く。
キスだけは、しない……。
束縛と監視の生活。
僕は抵抗することもなく、ただ、従った。
これで柚羽を守れるのなら、と――。