三日月の雫
「永輝くん、オレの家で会うといいよ」
「えっ?」
それまで黙り込んでいた遼太郎が口を開く。
最後に一度だけ会いたいという僕の気持ちを知っていた遼太郎の提案。
僕と啓介さんは同時に遼太郎を見る。
「永輝くんがオレの家に先に来て、オレが柚羽さんを迎えに行く。……どうかな」
「でも……」
「オレが会社に直接迎えに行って、柚羽さんと会った後にまた会社に送る。それなら姉さんにバレないと思うけど」
遼太郎の計画に啓介さんは感心したように同意した。
「そうだな。それがいい」
「……悪いな、遼太郎」
「何言ってんだよ。そうと決まったら、今夜決行だ!」
重苦しい雰囲気が、遼太郎の明るい声で一変する。
うまくいくかどうかなんて分からない。
それでも僕は、僅かな望みにかけてでも、柚羽に会いたくてしかたなかった。
「えっ?」
それまで黙り込んでいた遼太郎が口を開く。
最後に一度だけ会いたいという僕の気持ちを知っていた遼太郎の提案。
僕と啓介さんは同時に遼太郎を見る。
「永輝くんがオレの家に先に来て、オレが柚羽さんを迎えに行く。……どうかな」
「でも……」
「オレが会社に直接迎えに行って、柚羽さんと会った後にまた会社に送る。それなら姉さんにバレないと思うけど」
遼太郎の計画に啓介さんは感心したように同意した。
「そうだな。それがいい」
「……悪いな、遼太郎」
「何言ってんだよ。そうと決まったら、今夜決行だ!」
重苦しい雰囲気が、遼太郎の明るい声で一変する。
うまくいくかどうかなんて分からない。
それでも僕は、僅かな望みにかけてでも、柚羽に会いたくてしかたなかった。