三日月の雫
先の見えない未来。
どう終わりを告げるのか、予測不可能な未来。
僕が好きだと言ってしまったら、君はそんな未来を信じて僕を待つんじゃないのか?
そんな無責任なこと、できやしない。
「うん、聞き流したから」
冷たい一言を、柚羽に突きつける。
でも、柚羽を好きだという僕の気持ちはとても素直すぎて。
「今日で最後かな」
「最後じゃないよ」
諦めの悪いもう1人の僕は、もしかしたらという幸せな未来に願いを託す。
「また来るし」
「……そうね」