三日月の雫
第2章―すべてのはじまり―
・運命の一瞬・
元暴走族の総長という過去。
今はコンビニでバイトする専門学校生。
我ながら変な経歴だなと思った。
「おう、頑張ってるな」
暴走族時代に、何度も世話になった年配の警察官。
バイト先近くの派出所にいるとかで、時々買い物にやって来ては声をかけてくる。
「結崎さん、知り合いなんですか?」
「うん、ちょっとね」
柳諒子。
大学生のバイトで、入れ違いのほんの数時間、僕と勤務時間がかぶる。
「あ、そうそう。今度、あたしの友達が新しく入るんですよ」
思い出したように柳さんが言う。