三日月の雫
「へぇ」
正直、新しく入ってくるバイト生なんて興味がなかった。
バイトなんて辞めてしまえば、それっきりだ。
バイト繋がりの関係が長く続くなんてごく稀だと思う。
「明日からなんで、宜しくお願いしますね」
「……明日?」
そういえば、明日は18時からシフトに入っていた。
店長も入っているから、特に話すことなんてないだろう。
「永ちゃん、おかえりっ」
バイトを終えて帰り着くと、当たり前のようにかんなが僕の家にいた。
一緒に住んでいるわけではないけれど、かんなは毎日のように来ていた。