三日月の雫
指輪が通されたネックレスを、何気に掲げて見つめる。
部屋の電気に照らされて、指輪はキラキラと光っていた。
少し長めのチェーン。
身に付けてみると、シャツの中にすっぽりと納まり、ちょっとやそっとじゃ外に飛び出ることはなかった。
そして、【EIKI】と僕の名前が刻まれた小さな指輪。
僕はティッシュに包んで、引き出しの奥に大切にしまった。
引き出しの奥で眠りにつく小さな指輪。
この指輪がこれから先どんな運命を辿るのか、今の僕には知る由もなかった。