三日月の雫
「……シャワー浴びてくる」
僕はバイトから帰ってくると、そのまま真っ直ぐに浴室に行きシャワーを浴びる。
それが日課になっていた。
……そして。
「永ちゃん……」
シャワーを浴び終えると、当たり前のようにかんなを抱く。
それもまた日課になっていた。
昔はあんなにも、かんなとの関係を絶とうとしていた。
けれど今は。
かんながリストカットを止めるのなら。
啓介さんに知られて心配かけるくらいなら。
このダラついた関係を続けてもかまわないと、そう思うようになっていた。