三日月の雫

――灰皿も壊してやった。

灰皿……も……?



「灰皿もって…。他に何をした?」



鋭い僕の質問に、かんなはそれまでの勢いをなくして閉口する。



「かんな!」



大きな声でかんなの名を呼ぶと、僕の視界の隅に、ビクリと身体を震わせるかんなが映る。



「もういいじゃない!そんなことっ!」



そう泣き叫びながら。



「かんな!!」

< 217 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop