三日月の雫
翌日。
専門学校の授業を終えて、そのまま僕はバイト先に直行した。
従業員専用の駐車場に車を止め、店に向かう。
―――?
駐車場から、店の雑誌コーナーが見える。
そこに、柳さんと肩を並べて話す制服姿の女の子がいた。
僕はその子が、昨日柳さんが言っていた友達だとピンと来る前に、目を見張った。
あまりにも、かんなにそっくりだったから。
……あんなに似ているなんて。
まぁ、世の中には自分そっくりな人間が存在してるって言うし。
…そっくりな人間って何人存在するんだっけ?
僕はくだらない考え事をしながら店のドアを開けた。
自然と雑誌コーナーに目を移したけれど、柳さんとその子の姿はなかった。
素早いな。どこに消えたんだろう。
……まぁ、いっか。