三日月の雫
少しでも、そんな緊張を解そうと、僕は彼女がいくつなのかだいたい分かっているくせに聞いた。
「は、はい?」
あまりにも突然すぎたのか、彼女は困ったような顔をする。
そんな彼女の表情や態度が次第におかしくなってきて。
僕は静かに笑いながら、もう一度「何歳?」と聞いた。
「え、あの、18……です」
「……そう」
「はい」
……いや、だから。
『はい』で終わるなよ。
「結崎さんは?」
少しの沈黙の後で、彼女が聞き返す。
あまりにもタイミングが遅くて、僕はさらにおかしくなった。