三日月の雫
「ね、永ちゃんのバイト先に行こうよ」
「え?別にいいけど……」
僕の運転する車が、バイト先のコンビニに近づいた時にかんなが言う。
言われるがままに僕は店の駐車場に入った。
「いらっしゃいま……、あ!結崎さん!!」
レジにいた大学生のバイト・村岡が、僕の姿を見て驚き、駆け寄ってくる。
「どうしたんっすか?えっ?」
村岡の視線が僕からかんなへと移る。
「彼女っすか?」
かんなの手前、違うとは言い切れず、僕はただ笑った。
かんなも無言で笑うだけだった。