三日月の雫
僕はそんな彼女から視線を外した。
「あれー?まともなのって、結崎さんだけ?」
「車だから、ウーロン茶」
柳さんと話しながら、また、彼女と目が合う。
今にも泣き出しそうな顔をしていた。
そんなに……。
泣きそうになるほど、僕は嫌われてしまったのかな。
自己嫌悪に陥る。
やっぱり、初対面で緊張していたのに、あんなに話しかけたら普通、引くよなぁ。
それとも……。
柳さんから僕の『過去』を聞いたのかな。
友達ならやっぱり聞いているんだろうな……。
僕は深く溜息をついて、吸いかけのタバコを灰皿に押し付けた。