三日月の雫
ミドル。
柚羽がいつも入っている夕方からの勤務のことだ。
最後の日。
僕は22時から翌朝6時までの勤務になっていた。
伊織は17時から23時。
伊織の分のシフトに入るとなれば、ほぼ半日、働くことになる。
『結崎さんの分のシフトは崎本に頼みました。ですから、結崎さんは僕の分のシフトに入ってください』
そう言う伊織に僕は首を傾げた。
「そんなややこしいことしないで、最初から伊織のシフトを崎本に頼めばいいんじゃないのか?オレは通常通りのシフトで……」
『いやっ、それじゃあダメっ……』
「は?」
『いや、えっと、崎本が、17時からは出勤できない、22時からだったら入れるって』
なんだか、言ってることが妙だなと感じた。