三日月の雫
「……啓介さんが!?」



それまで、だらしなくベッドに寝転がっていた僕は驚きのあまり飛び起きた。

クスクス笑いながら、かんなが僕の隣に腰を下ろす。



「やだ、永ちゃんたら。…だからね、明後日の夜は開けていてよ」

「……あ…、そうだな……」

「遼太郎くんも呼ばなきゃね。あと…ユウヤくんと……」



僕のイトコでもある遼太郎を筆頭に、かんなが次々と名前をリストアップする。

その隣で僕は、複雑な思いを抱えていた。


啓介さんが出てくることは嬉しい。

だけど、かんなの傷を知ってしまったら。

僕とかんなが既に別れていて、僕の気持ちが他の人にあることを知ってしまったら。


でも。

腹を割って、本当のことを話すべきじゃないだろうか……。

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