三日月の雫
かんなとのダラダラとした関係。
それを当たり前のように受け入れる自分。
いつ僕の口から「ヨリを戻そう」という言葉が出てくるのか、期待するかんな。
そんな毎日の中で、事件は起きた。
『永輝さん!ユウヤたちが拉致られた』
後輩のユウヤたちが、日頃から対立していた族に暴行を受け、そのまま連れ去られてしまった。
本来なら総長である啓介さんに報告し、仲間を引き連れて行くところなのに。
その時の僕は変な自信があったのか、たった一人で相手の溜まり場に向かった。
『……なんだぁ?てめぇ』
一人でやってきた僕を嘲笑う、相手の族の総長。
雑魚な下っ端は簡単に叩きのめした。
だけど、総長とその取り巻き集団は腕っ節が強すぎて、歯が立たなかった。