三日月の雫
・衝動・
啓介さんに全てを話した。
ずっと抱えていた罪悪感が解放感へと変わる。
「かんな。帰るぞ」
「……お兄ちゃん!」
僕の家に当たり前のように居座るかんなを、啓介さんは何度も連れ戻しに来るようになった。
「ここは永輝のウチで、おまえのウチじゃないんだぞ」
「…もう少ししたら帰るから!」
「一緒に帰るぞ。永輝にも1人の時間を作ってやれよ」
そう言って啓介さんは、毎回かんなを無理やり連れていこうとする。
僕は全てを啓介さんに任せることもできず、拒絶するかんなを説得する。
「かんな。明日、またおいで。朝イチでもいいから」
「……永ちゃん…」