ラビリンスの回廊
先に口を開いたのはルクトだった。
「バレた……って、何が?」
穏やかな物言いに、玲奈にますます申し訳なさが募る。
重い気持ちで、伏目がちに言葉に出した。
「あたしが『光』だってこと……
ブロー王国の王は『光』を欲しがってるって言ったじゃん?
で、『光』であるあたしを…って……ヴァンが。
金髪を、フードで隠してるんだろって」
玲奈の言葉が切れても、ルクトはなかなか口を開かなかった。
エマも静かにきいている。
堪らず、玲奈は言った。
「なぁ……この髪、染めること出来ねーの?
そしたら、怪しまれずに済むじゃん」
伸びれば黒くなるけどさ……とぼやいた玲奈に、エマは首を振った。
「髪を染める染料はないのです」
「じゃあ、髪が伸びるまで待つしかねーな」
溜め息を吐き出した玲奈に構うことなく、ルクトがエマに話し掛けた。
「なんとかならない?」
エマは目を伏せ、小さく首を振った。