ラビリンスの回廊
食事が終わると、それぞれは部屋へと戻り、明日に備えることにした。
お風呂も済ませベッドに入ると、昼間の疲れか、玲奈はたちまち眠りについた。
玲奈が寝静まったのを確かめ、ルノはそっと部屋を出て行った。
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カチャリとドアノブの回る音がした。
気付いたヴァンがベッドから体を起こすと、ドアからするりと入る影。
声を出さずにじっとそちらを見つめていると、その影はイシュトのベッドへと近付いた。
チャキ、と金属が鳴って、イシュトがその影に剣を向けたのがわかり、ヴァンはゆっくりと息を吐いた。
「お前は……」
イシュトの声に戸惑いがにじみ、影と一言二言言葉を交わしたかと思うと、
「ヴァン、呼ぶまで部屋に入るな」
と言われて驚く。
有無を言わせるような性格でないのは重々承知しているので、溜め息をつきながらも了承の意を伝えた。
そして影の正体を聞いて、イシュトに危害はなさそうだと判断し、もしどうにかなっても油断しなければイシュトがどうこうなることはないと思いながら、
ヴァンは部屋を出て行った。