ラビリンスの回廊


「レイナちゃんのことを気にしてたってのは、どんな風に?

もしかしたら、だけど……誰かがレイナちゃんを探ろうとしていた、という可能性はないかな?」


「玲奈を……」


「そう。レイナちゃんを直接探るわけにはいかない誰かが、君のカレシさんにそれをやらせていた可能性」


どう?
とルクトが問い掛けると、ほんの一瞬だけ、ハルミはきまり悪げに目を泳がせた。


ハルミは頭に血がのぼりやすく冷めにくい性格のようだが、ついさっきまで玲奈につっかかっていたと考えられないくらい、鎮まっていた。


ルクトの人当たりのなせるわざでもあり、また、ルクトの突いた事柄が、彼女に心当たりのある指摘だったからだろう。


その反応をみてルクトは、更に言葉を続けた。


「君も薄々気付いてたんじゃない?」


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