ラビリンスの回廊
第二章

歩み



ぶつぶつと文句を言う玲奈とイシュトに構うことなく歩みを進めていく。


先頭を歩くはルクト。


次にエマ、玲奈、ヴァンと続き、しんがりはイシュトが務める。


道筋はエマが示唆していて、草原を抜けると小さな集落が見えてきた。


まだ昼前、日は高い。


ものの数十分ほどしか歩いていなかったが、歩き慣れていない玲奈は踵が少し痛んでいた。


それに気付いたのか、ヴァンは街へ寄ることを提案した。


「それならば、このあたりの生きた情報を手に入れたい」というルクト。

二人に反対するものは誰もおらず、もちろん玲奈に反対する意思はなかった。


「じゃ、ちょっとひとっ走り行ってくる。レイナたちはここで休んでて」


わざわざ皆で行く必要はないから、と言って背を向けるルクトに、イシュトが声をかけた。


「待て。ひとりで行くな」

そう言ってヴァンに向かって合図した。


「ヴァン、お前も行け」

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