ラビリンスの回廊
「ジョーダン」
肩をすくめて呆れた顔をした玲奈に、ハルミはより一層怒りを募らせたようで、顔を真っ赤にして男たちに合図した。
「やりな」
その言葉で男たちが一斉に玲奈に飛びかかって行った瞬間、ハルミの瞳は残虐さに輝いた。
「気絶したら、二度とオトコをたぶらかせないように、そのキレイな顔をぐちゃぐちゃにしてやんよ」
嬉々としてそう言い放ったハルミに、「悪いけど」という玲奈の嘲笑にも似た声が聞こえた。
「ぐちゃぐちゃにされるわけには、いかないなっ!」
飛びかかって行ったはずの男たちが、次々と倒れ、崩れさっていくのを、ハルミはぽかんと口を開けたまま見ていた。
「形勢逆転ってヤツ?」
足元に転がる、唸り声すら出す間も与えられなかった男たちを踏みつけ、玲奈はにっこりとハルミに笑い掛けた。