ラビリンスの回廊
道程
重い空気の中、身支度を整えた一行は、進路をとり歩き出した。
黙々と歩く彼らの荷物全てをイシュトが運んでいる。
軽い体に口笛を吹きながら、ルクトは歩みを進めていた。
何か勝負事をしたらしいが、ルクトはイシュトを見て笑ってばかりで、何をしたのかは玲奈に教えてくれなかった。
勿論、必要最低限のことしか喋らないエマも例外ではなく。
思い出したくもないのであろうイシュトに関しては、口を開くことすらなかった。
村を出ると、なだらかな地面が続いていた。
草や木がまばらになり、ついには一本も生えていない、ゴツゴツした石だらけの地面に変わっていた。