he-rA-Ku-re-SU
「まぁ、いいけどね。」
ハンバーガーを食べ終わった後、コーラを飲みながら、タバコを一息。
紫煙が真上に昇る。
「タバコはやめたんじゃなかったのか?」
声は後ろから聞こえた。
屈強な身体に、角刈りの男性。
見るからに、私は軍人です。と、その顔が言ってくる、ボクサーヘアーの黒人。
「女は嘘をついて生きるものよ。アーサー。」
航空部隊アーサー=マック大尉。
こんなナリをしているが、一流の戦闘機乗りである。
「やれやれ。そんなこと言っているから、婚期を逃す。どうだ、今度俺と飲みに行かないか?」
会った早々ナンパするなよ。イタリア男。
「遠慮しておくわ。特殊相対性理論も分からないような男性と話が合うとは思えないもの。」
「手厳しいね・・・それよりもだ、お前が作ったあの玩具。」
「ヘラクレス」
玩具と呼ぶな。野蛮人。
アレは、私の意地とプライドと知恵が詰まっているんだ。