he-rA-Ku-re-SU


「圧倒的パワーね。確かに、それが既に7体も配備が予定されているこの国では、ヘラクレスは不用かもね。」


 科学者は常に、理論的思考。客観的視点を持っていなければならない。


 完成したとはいえ、いまだ起動実験の終わらない、ヘラクレスと、実際に実践に投入され、戦果をあげたギルディウス。


 どちらが、信用に足る機体であるのかは明確である。


「そんなの、納得できません。ギルディウスの資料は実質、スリーシックスの部隊が独占状態で、謎の部分も多く、不安要素だって多すぎるいわば、化け物ですよ。」


「化け物を倒すには、化け物が一番・・・道理だわ。」


 理論はね・・・でも、納得は出来ない。


「だったら、メアリーはおとなしく引っ込むと?」


 ご冗談を。


「アレに対して個人的な恨みがなければ、それでも良かったのだけどね。」


『姉さん・・・俺・・・』


 ジェーンの仇・・・ジェーンの命の代償は払ってもらうぞ、悪魔ナンバー部隊。


「弟さん・・・か・・・」


「まあね。上層部からの許可は下りているわ。本日の作戦内容はアーサーも知らされているでしょ?」


「先日、発見されたベルヴァーの巣を叩く・・・か・・・うアーサーいくのかね?」


 もちろん。


「うまく言ってもらわなければ困るわ。あのクソ生意気な、黄色いサルたちを黙らせるためにもにね。」


「その発言は、軍法会議ものですよ・・・一応・・・。」


 チェンは、本当に可愛いわね。


「以後気をつけるわ。」



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