he-rA-Ku-re-SU


『ヒュ~、核かよ。そいつは、ご機嫌だな。』


 まったくだな。


 本気で撃ったら、洒落にならない威力だぞ。


「万が一の配慮です。今回の大尉の任務はあくまでヘラクレスの戦闘記録。および、そこから得られる敵情報の収集にあります。無理はしないようにお願いします。」


 無論、ヘラクレスにも敵情報を収集し、学習する能力はついている。


 それでも、端から見た映像が必要な場合もあるのだ。


 アーサーが請け負った任務は、それらの偵察任務。


 敵を目の前にしながら、ミサイル一つも撃てない戦闘機に乗るのは、一流の戦闘機乗りのプライドが許さないのかもしれない。


 それでも、未知の部分が多すぎるベルヴァー相手に、ヒヨっ子パイロットでは不安が残るし、ましてや、偵察機まで無人にすると、万が一の場合に対処が遅れてしまう。


 無論、その万が一・・・というのが、どのような事態なのかは、想像もつかないのだが。


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