he-rA-Ku-re-SU


『はいはい、あくまで見てろって事ね。楽でいいわ。』


 皮肉か、本気か・・・あまり、深く考えるのはやめよう。


「そう言ってもらえると、助かるわ。では、お願いね。」


『おう、任されよ。』


 通信終了。


 偵察機B-33。操縦者アーサー=アンドレ大尉。発進。


「続いて、ヘラクレス、発進準備」


 メアリーの激昂が飛ぶ。


「了解、ヘラクレス砲台に移動します。」


 真ん中に座る、ロン毛の男性オペレーターの声が響く。


 彼が操作して、現れるのは、言葉どおりとてつもなく巨大な砲台。


 漆黒の超巨大な筒。


 ヘラクレスは、その形が球体であるところから、分かるとおり、カタパルトなどという、平面から発信するのではなく、砲台から『発射』される形を取る。


 カタパルト発信より、エネルギー量も少なく、なおかつ『初速』がカタパルト発信に比べ、およそ300倍。


 非常に効率的ではあるが、欠点を挙げるならこの発進方法が使えるのがヘラクレス単機というコトだろう。


 どう考えても、多機種発進可能なカタパルトに比べると、応用性は少ない。


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