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「ヘラクレス砲台、角度修正ヨロシ。カウントダウン20より開始します。」


 20、19・・・


「アーサー大尉より、入電、目的到着予定まで残り5分を切ったそうです。」


 さすが、たった三時間で地球を半周できる戦闘機は格が違うな。


「そう。だったら、アーサーに伝えておいて『先に行ってる』って。」


「・・・了解、カウントダウン再開します。14より。」


 14、13・・・


「5、4、3、2、1・・・発進!」


 ヘラクレス、発進!


 ごうっという巨大な音が、管制室にまで直に伝わり、基地内が軽く揺れた。


「ヘラクレス発射初速マッハ6.4を記録。」


 さすが・・・。


「人間なら、命はない速度ね。」


 無人機ならではの強みはたくさんある。


 コレだけの初速発進。


 人間が中に乗っていたら、Gに押しつぶされて、一瞬にして命をおとてしまうだろう。


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