he-rA-Ku-re-SU
「すごい・・・たった一撃・・・」
チェンがそんな声を上げるのも変わるが、もっと恐ろしいのは、今の攻撃にわずか三つのバーニアと、それらも50%の出力しか出していなかったというコトだ。
「続いて、T-40、R-20、H-60、E―80」
何も、バーニアが常に同出力とは限らない。
ヘラクレスのトリッキーな動きは、この格バーニアの出力が個々にいじれるところから発生する。
群れで動くミノタウロスなど、かっこうの的でしかない。
せっかくだから、NASAが極秘に開発したというイカロス合金の強度とやらも試してみようじゃないか?
「ヘラクレス、ミノタウロスに突貫をかけます。撃破数1,3、5、8・・・」
もはや、人間の口で一からカウントして言ったのでは間に合わないほどの速度だ。
オペレーターの数字の数え方も、まばらになるもの仕方ない。
『おいおい、なんだよ・・・これ、一方的じゃないか?』
オペレーターの数が、36ぐらいになった途端、通信が入った。
「あら、アーサー、遅い到着ね。」
とはいえ、基地からの距離を考えたら、アーサーの到着時刻はかなり早い。
ヘラクレスが、それ以上に早かっただけの話なのだ。