he-rA-Ku-re-SU


「・・・・・・・・・通じているのではないでしょうか?」


 でしょうね・・・。


 この地にいる時点で、英語がそこまで通じないとは思えない。


 STOPが聞こえていながら、歩みを止めなかった時点で、考慮すべきだった。


「ありがと、チェン。」


 とりあえず、お礼だけを言って、チェンに受話器を置かせる。


 相手には、言葉が通じている、それでも歩みを止めないというコトは・・・


「最悪の事態ね。」


 本音が出た。


『ウィルスタイプか?』


 アーサーからの通信。


 ウィルスタイプ。


 マシーンに寄生し乗っ取る、ベルヴァーの中でも、もっとも厄介なタイプだ。


「その発言は、禁則事項よ。公式会見では、ベルヴァーの中にウィルスタイプはいないことになっているのだからね。」


 アメリカが開発した、ベルヴァーウィルスタイプ。


 実弾兵器では霧がないベルヴァーをウィルスで撲滅させようとした結果生まれた、恐るべき、敵・・・。


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