he-rA-Ku-re-SU


「ここからの指揮は、私、もしくはアーサー大尉に任せるべきです。主任は撤退を。」


 確かに、一理ある。


 可能性は低いが、万が一相手が本当にジェーンであり、彼がデーモンに食われていた場合、やられるのは、間違いなく私だ。


 憶測の域を出ないデーモンタイプ。


 能力は完璧に未知数。


 力押しだけが、戦いじゃない。


 ウィルスタイプがいるように、相手だって、試行錯誤を繰り出してくる。


 遠隔操作タイプのヘラクレスだからといって、必ず安全というわけではないのだ。


『俺も賛成だ。奴さん目がまともじゃねぇ。』


 お前はロボット越しにパイロットの目までわかるのかよ。


 あのまともじゃない目は、ギルディウスのデザインだよ。


「ジェーン、あなたの目的はなに?」


「主任!」


『メアリー!!』


 チェンとアーサーから同時に声が上がった。


 言い分は分かる。


 何が言いたいのかも分かる。


 でも、相手がジェーンだったら、他のやつらには任せられない。


 私が引導を下す!


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