he-rA-Ku-re-SU
「もう大丈夫よ。チェン、ありがとう。」
もう落ち着いた、大丈夫。
頭が冷静になってさえ来れば、この現状も理解できる。
よし、とりあえず、相手が何者かは分からないが、言葉は通じるんだ。
やってみよう。
「はい、失礼しました。しかし指揮権は・・・」
チェンは、手を離して目を泳がせる。
何に気を使っているのかしらね、この子は・・・。
「アーサーのままでいいわ。実際にこの状況では彼の方が冷静よ。」
正確には、アーサーと私のダブル指揮になるのだろう。
しかし、アーサーの指揮の方が、優位性があるという現状を作っただけだ。
構わないさ。
彼の言うとおりだ。
ヘラクレスは、私だけのマシーンじゃない。
アーサー、チェン、他にも、たくさんの技術者、そして、ここにいる数多くのオペレーターがいて、初めて動かせるものだ。
一人で戦ってると思っているようでは、半人前・・・いやそれ以下だ。
アーサーが昔言っていた言葉。
反省しなければ、ならないな。