he-rA-Ku-re-SU


「もう大丈夫よ。チェン、ありがとう。」


 もう落ち着いた、大丈夫。


 頭が冷静になってさえ来れば、この現状も理解できる。


 よし、とりあえず、相手が何者かは分からないが、言葉は通じるんだ。


 やってみよう。


「はい、失礼しました。しかし指揮権は・・・」


 チェンは、手を離して目を泳がせる。


 何に気を使っているのかしらね、この子は・・・。


「アーサーのままでいいわ。実際にこの状況では彼の方が冷静よ。」


 正確には、アーサーと私のダブル指揮になるのだろう。

 しかし、アーサーの指揮の方が、優位性があるという現状を作っただけだ。


 構わないさ。


 彼の言うとおりだ。


 ヘラクレスは、私だけのマシーンじゃない。


 アーサー、チェン、他にも、たくさんの技術者、そして、ここにいる数多くのオペレーターがいて、初めて動かせるものだ。


 一人で戦ってると思っているようでは、半人前・・・いやそれ以下だ。


 アーサーが昔言っていた言葉。


 反省しなければ、ならないな。

< 51 / 77 >

この作品をシェア

pagetop