he-rA-Ku-re-SU
「だったら、私たちも武装解除はしないわよ。」
『構いません。話に応じてくれるんだね。姉さん』
・・・・・応じるだけよ。
あくまで、応じるね・・・。
「まずは、貴方の目的を聞きましょうか?」
冷静になろう。
優位性は、こちら側にある。
ギルディウスとヘラクレス。
向こう側の正確なデータがあるわけではないが、おそらくはこちらの方が上なのだ。
人型である以上、致命的な欠点はいくつか予想できる。
『僕は、ベルヴァーと人間との共存を願う・・・それだけさ。』
「それによる、貴方のメリットは?」
『メリット、そんなものないよ。ただ、このまま戦い続けていたら、お互いにジリ貧になるだけだ。僕はそれを避けたかっただけだよ。』
私の弟は、そんな聖人君子のような人間ではない・・・
やはり、ジェーンである可能性は捨てるべきだろう。
ならば、中に入っている人物は何者か?
とりあえず、口に出すと感づかれる。
メアリーは髪とペンを用意して『対ウィルス用、および、デーモン用に対応できるように』と書いて、チェンに渡した。
これで、指令は行き届いただろう。