he-rA-Ku-re-SU


「だからこそ、主任は無人戦闘機にこだわったのですか?」


『大丈夫だよ、姉さん。俺はただのテストパイロット。実践に出るわけじゃないって。それに、お金だってたくさんもらえるんだ。姉さんの学費ぐらいは稼いでやるよ。任せておきなって。』


 ヘラクレスの最大の特徴は、遠隔操作にある。


 無人戦闘機、ヘラクレス。


 世界最強を誇る英雄の名を冠したその兵器は、まさに、私たち世界最強の軍隊、アメリカを象徴するにふさわしい。


「というより、コレだけ複雑な動きを、中に人が入って捜査するほうが、無理でしょ?人型だって、汎用性は高いとはいえ『戦闘に特化した形』とはいえないわ。」


 ヘラクレスは、あまりにトリッキーな動きをする。


 とても、一人で動かせるものではないし、当然、中に入って操作するものでもない。


「これが、実践配備されたら、陸軍と衝突しそうですね。アメリカ陸軍第666特殊部隊でしたっけ?」


「正確には、特殊戦闘危機関666アメリカ支部・・・らしいわよ。でも、それでは所属に困るから、形式上、この国では陸軍に所属になっているの。仮にも極秘機関ですからね」


 極秘機関ね・・・好きだよね。どこの国も。


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