he-rA-Ku-re-SU


「ベルヴァーは人間に代わり、地球の新たな王者となるべく・・・」


 うるせぇよ・・・。なんで、こんなテレビ流すんだよ?


 だったら、お前が最前線に立ってみろ。


 泣きじゃくるミノタウロスの声を聞いてみろ!


 ワームの悲鳴を聞いてみろ。


 バードンの叫び声を聞いてみろ。


 それらを鼓膜に焼き付けながら、赤い鮮血を浴び続けてみろ!


 戦わなくちゃ、いけないんだ。


 生き残るためには・・・。


 俺が生きるためには、姉ちゃんを楽させてやるためには・・・。


 スラムで生まれ、生きてきた少年は、実は姉以上にあった聡明な頭脳を生かす環境を与えられず、結果として不足してしまった教養、そして生きる術をこのような形で補うしかなかったのだ。


 明晰な頭脳と、毎日ように繰り返される悲惨な戦いは、まさに『向こう』にしてみれば、格好のえさだったのだろう。


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