he-rA-Ku-re-SU


「ごめん・・・たぶん・・・戻れない・・・」


『姉さん、だから言っただろう?俺たちベルヴァー側につくべきだって・・・』


「あなたは黙りなさい!!」


 姉と呼ぶな!


 お前みたいな弟を持った覚えはない。


 私の弟は、ジェーンただ一人だ。


「主任・・・」


「最悪のケースは考えるべきなのよ・・・みんなゴメンね。」


 私たちの可愛いヘラクレスを・・・。


 みんなの苦労を・・・。


「いいえ・・・私たちも大事なヘラクレスが暴れる姿は見たくありません。ヘラクレス、後退です。動かせるバーニアをとにかく動かして、逃げ回ってください。」


 ヘラクレス全力後退。


 バーニアが沈下するのも時間の問題だけど、そこまでの時間はとらせないさ。


『逃げられないよ、そのウィルスは僕が作り出したんだ。伊達に姉さんの弟ではないんだよ。』


 分かってたよ・・・それぐらいね。


 おかげで、だいぶ苦戦を強いられたわ。


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