he-rA-Ku-re-SU


「その頭があれば、あなたも優秀な学者になれたものを・・・」


『その道を選ばせなかったのが、この世界だろう!どれだけ頭が良くても、どれだけ、実力があっても、上にいけるのは、一部なんだ。僕と姉さん、お互いに上に行くことなんて出来なかったんだ。』


 ・・・・・・・・そう・・・。


 それが、貴方の本音ね。


 良かったわ。最後に貴方の言葉が聞けて・・・。


 確かに、私たちは底辺の人間。


 上に行くために必要な地位も、金も、生活基盤も一切持っていなかった。


 どちらかが、犠牲にならなければ、どちらかが上に行くことなんて出来なかった。


 そして、犠牲になったのは、貴方のほう。


 だから、貴方を犠牲にして上に伸し上がった責任は、とらなければならない。


「チェン、交代よ。」


 プログラム復旧完了。


 最初にここを侵食させる辺り、さすがは策士ね。


 でも、残念。貴方は私のお姉さんなの。


 貴方より、ちょっとだけ、上手なのよ。


 ちょっとだけね・・・。


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