ずっと好きだった
取りだしてすぐ画面を見た瞬間、出るか出ないかに躊躇う。
それは画面に映し出される“カケル”と言う文字に…
未だに鳴り続ける携帯を見ながら、2ツ折りの携帯を一応開けてみる。
だけどやっぱり出る気にはなれなくて、あたしはパチンと鳴り続ける携帯を閉じ床に投げ捨てた。
「馬鹿っ!!」
小さく吐き捨て、もう一度布団に潜り込む。
なんでだろ…
なんでカケルはあたしに電話なんかしてくるんだろ。
いつも電話なんて全然してこないのに、何でこんな気分の優れない時に電話掛けてくんのよ。
偶然だとしても全然嬉しくない。
カケルの所為であたし何言われてるのか知ってんの?
カケルはいいよね。いろんな女とくっついて仲良くして…。
断ればいいじゃん。誘われたからって着いて行く必要なんてないじゃん…