ずっと好きだった
「あっ、七瀬さん発見!!あのさぁ、」
そう言ってくる女は、どうせカケルの事。
カナリ短いスカートに茶髪の髪をクルクル巻く女。
はっきし言って、カケルに近づく女は皆一緒に見えてしまう。
「あのさ、カケルの好物って何?」
突然言ってくる事は訳の分からない事で、
「は?」
あたしは思った通りの事を口に出す。
「だからカケルの好物。弁当作るから教えて」
「分かんない…」
「えっ、七瀬さん昔からカケルとの付き合い長いんでしょ?教えてくんなきゃ、あたし他の人達に勝てないじゃん」
「勝てない…?」
「そうそう、カケル狙い多いでしょ?だから何かでアピールしないとカケル覚えてくれそうにないじゃん。だから、ね?」
女はニコッと微笑んで、あたしの肩をポンポンと叩く。
勝てないって何?
しかも、あたしにいちいち聞かないで。
「…って言うか、長い付き合いだからってカケルの好物とか全くしらないから」
素っ気なく返して足を進めて行くあたしの背後から、
「何だよ、ヤリマン…」
一番言われたくない言葉を女は口にした。