ずっと好きだった

着いていくのに不思議に思う。

タクヤが歩いて行く所にいた生徒達は不思議にタクヤの為に道を開けているって感じだ。

それは恐れているように、皆が皆スッと道を開いて行く。


まぁ、見かけはカケルより怖いけど、あたしはたまに話すくらいだから正直、タクヤの事はあまり知らない。

でも、皆が怯える感じだから相当にタクヤは怖いんだって、今初めて分かった気がする。


食堂に入って、タクヤは出来た唐揚げ定食を持って席に着く。

そのタクヤが座る前に腰を降ろすと、


「食べる？」


１個の唐揚げをあたしに差し出してきた。

でも、食べる気になれないあたしは首を横に振って、


「あのさ、」


小さく声を出した。

そう言うあたしにタクヤは“ん？”って、声を出さずに目で聞いて、


「あのさ、男って皆ギャルが好きなのかな？」


そう言うあたしに、タクヤは何言ってんだ？って顔をする。


そんな事は分かってる。

あたしだって何でこんな事タクヤに言ってんだろって思うし――…


でも男の理想ってのをちょっと聞きたい気がする。