ずっと好きだった
ファンって何だろう…?
あたしのファンって何?
「ちょっといい?」
思わず一人の世界に入っていると、タクヤはタバコの箱を左右に軽く振り出入口の方に目線を向ける。
「あ、うん」
それに気付いたあたしは、小さく頷き、出ていくタクヤの後を追って外に出た。
出てすぐの所にある段差の石の部分に腰を降ろし、タクヤはすぐに箱からタバコを抜き出し口にくわえる。
ジッポから出るジュボッと言う火の音がする。
黒髪に茶色のメッシュ。
カケルとは全然、要素が違って凄くタクヤは落ち着いてる。
何でこんなに違うの?
何でカケルはいつもあぁなの?
何でいつもチャラチャラしてて遊びまくってんの?
分かんない。カケルの事が全然分かんない…
どうしてあたしはカケルを好きになっちやったんだろ。