ずっと好きだった
だけど直輝と言う男はクスクス笑い、
「そんなにアイツがいいのかよ。どうせ後で後悔するくせに」
意味の分からない事を口にした。
「後悔…?」
「そう、俺がアイツへの頼みごとをリオちゃんにしてた訳、分かる?」
「……」
「少しでもリオちゃんに近づく為」
「何それ。それのどこが後悔な訳?」
「自分で確かめれば?アイツの事、本気で嫌になると思うし」
直輝は先端を少し上げ、上に指差す。
何処かとも場所を言われてないけど、その指された場所は分かる。
きっと屋上。
別に行きたい訳じゃなかった。だけど、気が付けばあたしの足は屋上に向かってて――…
「ちょっとカケル、もっと優しくしてよ!!」
ドアを開けた瞬間、あたしの涙腺が一気に緩んだ。
身体に力が入らないって、この事なんだろうか。
力が入らないって言うか、もう動く事すら間にならない。
カケル…
何してんの?