ずっと好きだった
「あ、リオちゃん…」
校舎を飛び出して食堂の横を通り過ぎると、 聞きなれたタクヤの声が耳に届いた。
だけどあたしはタクヤの方を一切見ずに駆け足で足を進めて行く。
「リオちゃん」
背後からまた聞こえるタクヤの声を無視してあたしは校門を抜け出した。
もう学校なんかに行きたくない。
そう思ってから早、1週間が過ぎた。
特に何をするって訳じゃなかった。
ただ学校にも行かずに家でボーっとして携帯の電源も切ってた。
でも、あまりのお母さんの煩さにあたしは仕方なく1週間振りに学校へ行くと――…
「タク――ッ…」
廊下ですれ違った、見てはいけないタクヤの顔を見てしまった。