ずっと好きだった
一段と表情を崩すタクヤの顔は数えきれない程の無数の傷がいってて、他の生徒達はタクヤを恐れているのか避けて行く。
タクヤの為に開けられた道って言うんだろうか、中央にいた生徒達は端へと寄って行く。
その開けられた道をタクヤは不機嫌さ満開で歩いてて、そのタクヤの背後を見て、初めてタクヤが怖いと思った。
だから――…
「ねぇ!!カケル!!」
カケルとの事をすっかり忘れてたあたしは、一気に屋上に駆け上がってて、ドアを開けた瞬間叫んでた。
いつものコンクリートの小屋に背を付けて座ってたカケルは、くわえていたタバコを口から離し、あたしを見た途端、目を見開いた。
「リオ…」
「カ、カケル…」
「お、お前、何してた。俺が何回も電話しても――…」
「それよか大変なの!!」
「あ?」
「タクヤがね、タクヤが顔にいっぱい傷つくってて…」
カケルの隣に座り込んで、声を上げると、カケルはさっきまで目線を向けていたあたしから目を逸らし、指に挟んでいたタバコを口にくわえた。
それがどうした?って言う顔付きをするカケルに、
「ねぇ!!聞いてんの?!」
もう一度、あたしは声を上げる。