ずっと好きだった
「本当なんだ…」
「本当も何も、アイツ何人も病院送りにしてっぞ」
顔が引きつっていくのが自分でも分かった。
タクヤって、そんなに怖いんだ…
あぁ、そっか。だから皆、タクヤを避けてたんだ。
そう言えば、前に食堂で話してた時、イカツイ男が来た事あったっけ。
その事件が今に関わってんの?
えっ、もしかして知らなかったのって、あたしだけ?
まぁ、それだけ噂と人に興味がないって事で――…
あれ?でも何でカケルとタクヤは仲いいの?
仲いいってほどじゃないと思うけど、カケルが唯一話すのはタクヤだけだし… タクヤもカケルと話してる所しか見たことない。
全然、カケルとタクヤって違うじゃん!!
カケルは遊び人だけど喧嘩には興味ないって感じだし、タクヤはその逆だし――…
「おい、聞いてんのかよ」
「え?」
「え?じゃねぇよ。さっきから話してんだろうが」
そう言ってカケルはあたしの頬を軽く引っ張ってて、
「あ、ごめん」
謝るとカケルは深いため息をついて、あたしの頬から手を離した。