ずっと好きだった
「また遅刻?」
うっすら笑って見下ろしてくるタクヤに、
「タクヤに言われたくない」
そう言って、頬を膨らませる。
相変わらず、不機嫌真っ最中なのか、これがいつも通りなのか分からないタクヤ。
まだ顔に残ってる無数の傷が痛々しく思うけど、なんとなくそれは何なのかも未だに聞けない。
「どした?」
「あっ、もう何か食べた?」
「いや。今からコンビニに行く」
「じゃあさ、」
そこまで言って、あたしは鞄の中から紙袋を取り出し、
「はい、これ」
タクヤの胸元に押しつけた。
「何これ?」
タクヤはあたしが押しつけた紙袋に視線を落とす。
「余り物」
「余り物…?」
「そう、余り物。いらなかったら捨てて」
まだ両手をポケットに突っ込んだまま、あたしの紙袋を見つめるタクヤの腕を掴んで、紙袋を握らせる。
タクヤは何が何だか分からないままそれを受け取り、