ずっと好きだった
「た、食べたの?」
「あぁ。半分だけど」
「な、なんでっ!!」
「何でって、リオが作ったやつだから」
「じゃなくて、何でカケルなの?あれはタクヤに――…」
「だから何でアイツに渡してんだよ」
「何でって、カケル他の女から弁当貰ってたじゃん」
少し涙目になってしまったあたしは手で目を軽く押さえる。
それでもカケルへの嫉妬が深まっていて、目に当てた手が離せなくなり、両手で顔を隠した。
「リオ…?」
カケルはあたしの右肩に左手を置き、右手で顔を隠している手をどけようとする。
「いやっ…、」
泣き顔をみられたくない為、思わず小さな声が漏れる。
見られたくない。こんな顔、カケルには見られたくない。