ずっと好きだった
「確かに貰ったけど食ってねぇよ」
「でもっ…、カケルは、カケルは遊び人だから誰とでもヤってんじゃん」
「ヤってるとか言うな。してねぇよ」
「ホント?」
目を擦って俯いた顔を上げると、カケルは申し訳そうに髪をクシャっと掻きあたしを見た。
「まぁ、ホントって言えば嘘になるけど。最近は…っつーか、3年になってから、もぅしてねぇよ」
「3年って、まだ数ヶ月じゃん。それに、カケルはあたしにヒドイ事ばっかり言うじゃん」
「ヒドイ事って?」
「誘われたら断れないとか、男作れとかさ。ヒドイよ」
眉を寄せ、悲しそうにカケルを見ると、
「嫉妬…」
そう言ってカケルはもう一度あたしを抱き締めた。
すっぽりとカケルの腕の中に収まり、体温が伝わってくる。
「…嫉妬?」
訳が分からず、その言葉に戸惑い気味に返す。
嫉妬?誰が?カケルが?誰に?
混乱していく中、
「そう、嫉妬」
カケルの落ち着いた声が耳に伝わってきた。